梅干し、あんず干し〈あんず漬け〉/わたしの料理
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わたし加藤文は作家。著書に料理がらみの小説が多い、しかも「きょうのお料理」というエッセイを連載しながら、いっこうにホームページでは料理の話題がないではないかと読者の声があり、腕まくりをして料理をしている日常を紹介することにしました。

三食入りソースやきそばの棚に火がついた。
「市場を焼け野原にしろ!」三社入り乱れての新商品開発戦争がはじまった。 
日本の夜を変えた男。広告界、テレビ界を開拓した男の物語。 横浜中華街を舞台にした、ひとりの女性の波乱万丈の半生。 日本に薬膳を伝えた男の半生を描く、ノンフィクション・ノヴェル。

梅干しづくりは難しくありません。また手間をかけず、ウィークデーに仕事をしながらでも簡単につくれる製法を紹介。
また、あんずから梅干しもつくることができます。あんずの梅干しは果肉がねっとりとしてなかなか美味。
このページでは順次つくりかたを紹介していきます。
(ぜったい失敗しない、梅干し) (あんずで梅干し?)
わたしが紹介する梅干しづくりの特徴
○焼酎併用法で、カビなどのトラブルは一切なし。
○焼酎併用法により、減塩が可能。
○三日三晩、干して、夜露に当てる必要なし。
(手が空いているとき干すだけでよい)
○よって、忙しいひと、はじめて梅干しを漬けるひとでも本格的な梅干しをつくることができる。

1.(06.04.15更新)
○完熟した梅が出回る前に/梅はその言葉通り梅雨の時期に市場に出回ります。しかし、完熟梅が店頭に並ぶ期間は短いもの。いつ梅が売り出されてもよいように、まず材料を紹介します。
──── 梅 2kg
──── 塩 400g(梅の20%/にがり入りの天然塩を使用)
──── 赤紫蘇 200g(適宜でよし/梅の塩漬けが完了する頃出回る)
──── 紫蘇もみ用の塩 30g(紫蘇の15%)
──── 焼酎(梅酒用ホワイトリカー) 適宜

○あんずの梅干し〈あんず漬けは上記の梅をあんずに変えた量となる〉

2.(06.06.14更新)
○梅の購入。
梅干しには、黄色く色づくとともに香りが高くなった梅を用います。

この写真が、漬けごろとなった梅です。虫食い、つぶれによる腐りのないものを選んで購入してください。
梅の品種は問いません。近頃は「南高梅」の人気が高く、売り場で見掛ける機会も多いことでしょう。しかし、「白加賀」なども色づいたものならば問題なく梅干しに使用できます。
漬け頃の梅は出回る期間が限られています。色よく熟れた梅を見掛けたら、迷わず即買うようにしましょう。

○梅のあく抜き。

購入した梅は、一晩たっぷりの水に浸け、あくを抜きます。
梅にあくがあるのか? あるとして、梅のあくを抜く効能はあるのか、確証はありません。梅干しの漬け方のポイントとして、古くから言い習わされている方法に則って、わたしは下準備をしています。
ただし、あくの有無についてはわかりませんが、次のステップである漬け込みの際に、果実の表皮が十分水気を含んでいることのメリットは確実にあります。
漬け込みの際には塩を用いますが、塩の付着がよくなるのです。

3.(06.06.15更新)
○漬け込み。
一晩あく抜きをした梅を塩漬けにします。
手順1. へた取り。

爪楊枝や竹串を使い、梅のへたを取り除きます。爪楊枝などの先を軽くへたに当てます。
へたを取った梅はザルなどへ。水気を拭き取る必要はありません。


手順2.焼酎洗い。

ボールに焼酎(ホワイトリカー35°)を適宜取ります。

焼酎の中で梅を転がし、からめるようにして洗う。これにより、漬け込みの失敗の原因となるカビ、細菌を消毒します。

手順3.塩漬け。
まず、漬け込みに使う漬け物樽は清潔に。念のため、焼酎をペーパータオルなどに含ませ、内部を拭いておきます。
次に、漬け物樽の底に、別途焼酎を入れる。量は適宜。焼酎を入れたら、レシピの分量の塩から、若干量を樽の底に均一に敷く。
塩分を規定量よりも減らす場合(減塩の際)は量を増やす。目安としては、梅に対して塩12%で、焼酎300CC程度。  ──減塩漬けの注意。梅に対して塩20%が基本の梅漬けです。減塩漬けは、腐敗、梅酢のあがり具合などでトラブルが発生しやすいので、なるべくならば基本の塩分量で経験を積んでから行うとよい。

梅への塩まぶし。

わたしは第一回の漬け込みに梅を3kg使用しました。3kgを一度に塩まぶしできるボールがなかったので、余裕をもって塩をまぶせる量に別けて行いました。
焼酎洗い同様に、梅を転がすようにする。塩は満遍なく皮に付着させなくてもよい。

漬け込み。

(樽底の焼酎と塩)、梅、塩、梅……と互い違いに樽に漬け込んで行く。
最後に、梅の表面に残りの塩を厚めに盛る。(塩は漬け込みの最中に沈みます。よって、上部の塩分を濃くするのです)

重しをかける。

重しは、梅の重量相当の重さ。重しの消毒も忘れずに。
重しを掛けて、樽に蓋をしますが、蓋が完全に閉まらないときは、ビニール袋を蓋の上から被せて密封します。(減塩漬けの場合、密閉は必須です。ビニール袋で完全に密封してください)

あとは、梅酢が上がるのを待ちます。漬け込みから2〜3日で梅酢があがりはじめ、やがて梅が梅酢に浸かるほどになります。梅酢がいつまでもあがらないときは、梅の上下を変え、重しの重量を増やすなどする。

この状態で、赤紫蘇が店頭に並ぶ7月初〜中旬まで待ちます。

4.(06.07.02更新)
○紫蘇漬け

紫蘇漬けは、梅干しを着色するために行います。白梅干しをつくる際は、必要ありません。
手順は以下の通り。

手順1.赤紫蘇を買う。根がついたままのものと、根を切り茎と葉だけにしたものの二種類があります。どちらでもよいのですが、根がついたままのものは泥を落とすのに苦労します。

手順2.紫蘇を洗う。泥、ほこりなどを落とすため、紫蘇は葉を茎についたまま洗います。茎を取り除き、葉だけを洗おうとすると苦労します。紫蘇の重量の目安は、梅2kgに対して200g。たいした量ではないと思われるかもしれませんが、なかなかのカサになります。

手順3.水洗いには、ボールに水を張りすすぐ。風呂桶を使う。など、便利そうな方法をとってください。洗った紫蘇は軽く水を切り、ざるなどにあげておきます。


手順4.葉をもぎとる。茎から葉を取り、これを集めます。まだ湿っているかと思いますが、大丈夫です。虫食い、いたみのある葉は捨てます。

手順5.しばらく乾燥。完全に水気が切れなくても可。

手順6.ボールに適宜紫蘇の葉を取り、ひとつまみの塩で揉みます。このとき、塩で揉む前に焼酎をまぶしかけ、十分に葉の表面に行き渡らせておきます。消毒です。

手順7.ここからはあく抜きです。ひとつまみの塩(キュウリもみをつくるときの量を参考に)で、紫蘇の葉を揉みます。はじめは指先で「揉み」ますが、しんなりしてきたら掌で押しつけるように(饂飩やパンの粉を練る要領で)します。だんだん、赤黒い液が出てきます。これが「あく」です。この液が布につくと染まりやすいので、服装に注意。紫蘇がひと塊になり、あくが十分でたら、紫蘇の塊を絞ります。力を込めて、あくを残さないように。あくは、すべて捨てます。


手順8.分量の紫蘇をすべてあく抜きします。ちなみに減塩梅干しを漬けて、塩の使用量を減らしていても、紫蘇を揉むときに塩を大量に使ったら元も子もありません。大ボールいっばいの紫蘇に、ひとつまみ。塩の量は加減して使いましょう。

手順9.発色。あく抜きして、固く絞った紫蘇を、梅酢につけるときれいに発色します。あらかじめボールに取っておいた梅酢にあく抜きした紫蘇を入れて軽く揉む、もしくは梅を漬けている樽から重しをどけ、樽の中で紫蘇をすすぐようにすることで、発色の段階は終了。

手順10.梅の上に紫蘇を被せ、再び重しをして、梅雨明けを待ちます。紫蘇を加えたことによる、カビの発生に注意。手順と、衛生管理を怠らなければ、ほぼ間違いなくカビの発生を抑えられます。 

梅を干す
○三日三晩干し、夜露に当てる、という方法をとらない。
○いつ、干しはじめるか、自由。

★漬けあがった梅を干す作業は、土用干しと呼ばれています。2006年の7月10日の週に(旧暦)土用があります。この頃になると、一般的に梅雨があけるとされています。
★もしこの時期に手すきであり、かつ天気も晴天であれば、梅を干しはじめるチャンスですが、条件が揃わなければ、夏の間の炎天下であれば、いつでも梅を干すことができます。

★また、三日間つづけて干し続ける必要はなく、この間に一週間ほど間があいても構いません。ただし、できることなら、週末の土曜、日曜を使い、二日干しは行っておきたいもの。
★梅は朝からざるなどに並べて、日当たりのよい場所に干しましょう。梅酢も容器ごと炎天下にさらします。陽が陰りはじめたら、梅酢に梅を戻し、十分梅酢を吸収させます。もし、あと一日、梅を干すことができるなら、この第一日目は梅を梅酢に戻さず、翌日も続けて干しましょう。
★要は、梅の乾燥、梅酢の吸収を繰り返すのが、この作業のキモです。

では、どのくらい梅を干したらよいのか。干した梅を摘んで、耳たぶの感触ぐらいになっていたら、干しの作業は完了とみてよいでしょう。


5.(06.07.30更新)
○天日干し
ようやく梅雨が明けたと思われる。曇り空から晴天になった正午、梅を干しました。通常のレシピでは、本日は梅酢に戻さず、明日も続けて干すのがセオリーとなっていますが、翌日の予定がたたないため干しあげた梅は梅酢に戻すことにして、再び晴天かつ二日間連続して干せる日を待ちます。


なぜ梅を干すのか、(仮説)1.かなり古い時代の梅干しは乾燥度の高い保存食であったためではないか。2.梅を赤紫蘇で着色するため、乾燥→梅酢の再吸収→乾燥→梅酢の再吸収……という工程が必要なのではないか。3.乾燥と梅酢への戻しを繰り返すことで、梅干し内部の水分量を調整しているのではないか。 などと考えられます。ちなみに、仮に干さなくても、上記写真の状態で梅干しとして食べることができます。(写真は干したばかりの乾燥が進んでいない状態)

★天候、各自の予定などの都合によっては、「二日連続干し、一晩梅酢に戻す、仕上げ干し」「三日間、干しと梅酢戻しを繰り返す」という手順はふまなくてもよい。要は、着色がまんべんなく進むこと、適度な乾燥が進むことが重要。夜露を当てるというセオリーは、必然性と根拠がないように思われる。